人を動かす動機は2つ
人を動かす動機は、突き詰めると2つしかありません。
その二つとは、
・快楽を得る
・不快を避ける
です。
「快楽を得る」ために、人は行動を選択します。
「不快を避ける」ために、人は行動を選択します。
(行動をしないという選択もあります)
具体例を挙げると
私はタバコの煙・臭いが嫌いです。
なので、タバコの煙・臭いがすると、その場から離れます。
嫌いな煙・臭いという「不快を避ける」ために、その場から離れるという行動を選択するのです。
喫煙者は、タバコはリラックスできるといいます。
なので、タバコを吸います。
リラックスできるという「快楽を得る」ために、タバコを吸うという行動を選択するのです。
同じ「タバコ」に関することでも、選択する行動は異なります。
つまり、人によって、何が快楽で、何が不快か、という結びつきが違うのです。
結びつきは人それぞれですが、「快楽を得る」「不快を避ける」ために行動を選択するということは同じなのです。
ということは、大事なことは、
自分にとって、何が快楽で、何が不快なのか、
あの人にとって、何が快楽で、何が不快なのか、
を知ることです。
「快楽」とは、
好き、気持ちいい、楽しい、美味しい、リラックス、安心、満足、・・・
などの総称です。
「不快」とは、
嫌い、嫌だ、退屈だ、まずい、ストレス、心配、不満、・・・
などの総称です。
「あの人は、何度言っても、〇〇をやってくれない」
という場合、その人にとって〇〇をすることは「不快」なのです。
〇〇をしないことが「快楽」なのです。
としたら、その人にとって、〇〇をすることで「快楽」を得られる、
〇〇をしないことで「不快」になる、ということが伝われば
その人は〇〇をするでしょう。
そのために、その人を観察したり、コミュニケーションをとったりするのです。
これに関連して、もう一つ知っておくと良いことがあるので、お伝えしておきましょう。
それは、「快楽を得る」「不快を避ける」どちらの動機がより強いかというのが人によって違うということです。
例えば、Aということをやって欲しいとします。
このときに、
「Aをすると、こんなに良いことがありますよ」
と言われた方が響くタイプの人と
「Aをしないと、こんな悪いことが起きますよ」
と言われた方が響くタイプの人がいるということです。
保険のセールスを受けているときに、
「保険に入ると、何かあったときに安心ですよ」
と言われるのと
「保険に入っていないと、何かあったとき大変ですよ」
と言われるのと
どちらが保険に入りたくなるか、というのは人によって違うのです。
相手のタイプに合わせた表現で伝えられるようになると効率的になります。
ただ、どちらのタイプかが分からなくても心配することはありません。
まず、どちらかの表現で伝えてみて、反応をチェックする。
効果があればそれで良いですし、効果がなかったのならば他方の表現で伝え直せば良いのです。
ここでも、小さくフィードバックループを回せば良いのです。
経営者である先生が、従業員であるスタッフに指示を与えるときには、
させたい先生とやりたくないスタッフという、対立構造になってしまうこともあります。
しかし、動機は2つしかないということが分かっていれば、
先生とスタッフが同じ方を向いて、チームとして、ともに進んで行けるように、
先生がさせたいことをやることが、スタッフにとって「快楽を得る」ことになる、
「不快を避ける」ことになる、ということを伝える工夫ができるようになります。
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