解説記事に
5W2H (What, Why, Who, When, Where, How, How much)、を正しく伝えることは、もちろん大事です。
しかし、それよりも大事なのが「観察力」だと考えます。
なぜかと言うと、コミュニケーションの目的は、
何を言うか? ではなく、
「自分が望む、相手の反応」を得ること だからです。
そのためには、「自分が望む、相手の反応」が得られているのかどうか、を確認する必要があるからです。
もし、「自分が望む、相手の反応」が得られていることが確認できれば、そのコミュニケーションの目的は達成できたということになります。
もし、「自分が望む、相手の反応」が得られていないことが確認できれば、そのコミュニケーションの目的は達成できていないことになります。
それならば、目的が達成できるまで(「自分が望む、相手の反応」が得られるまで)、伝え方を工夫して変えていく必要があります。
1.6.1.観察力
コミュニケーションにおいて、観察力は思考の重要な要素の一つです。それでは、何をどうやって観察していくのかを解説していきたいと思います。
1.6.1.1.目的が達成に向かっているかを観察する。
コミュニケーションがうまくいっているのかを観察するのは非常に大事なことです。
「うまくいっている」というのは、「自分が望む通りにいっている」ということであり、つまり、「自分が望む、相手の反応を引き出せているか」ということになります。
ですので、「会話が盛り上がった」というだけで満足していてはいけません。
もちろん、「親密度を上げるために、とにかく会話で盛り上がる」というのが目的であったのならば、満足しても構いませんが。
1.6.1.2.表現のやり取りがうまく言っているかを観察する。
自分が伝えようとしたことと相手が受け取ったことが一致したかどうかを観察することは大切なことです。
厳密には、完全に一致することありません。なぜなら、自分と相手の「心理的フィルタ」は全く同じではないからです。
しかし、許容できる範囲まで近づける工夫は必要です。
これは、「自分が何を言ったか」よりも、「相手に何が伝わったか」が重要だということです。自分が伝えたことを、自分がしたい方法で表現しても、相手に違うことが伝わってしまうのであれば、コミュニケーションの目的を達成するのは難しくなってしまいます。
自分がしたい方法で表現するのではなく、相手に伝わるように表現する必要があるということです。
逆に、相手が伝えたいことと自分が受け取ったことが、許容できる範囲まで近づけいているかということを観察することも大切なことです。
1.6.1.3.非言語的な表現を観察する。
"https://articles-prepare.5631.blog/?p=332"「1.4.1.1.表現方法」でノンバーバル(非言語的)な表現を勉強しました。言葉だけでなく、言葉になっていない表現をしっかりと観察し、読み取る必要があります。
観察が大切なモノには、
- 表情
- 声(大きさ、トーン)
- 呼吸(速さ、深さ)
- 姿勢
- 動き、しぐさ、ボディランゲージ
- 話す早さ、テンポ
- 視線
- などなど
特に、大事なことは、言葉での表現と非言語の表現に一致感があるかどうか、ということです。
例えば、言葉では、「大丈夫です。」と言っているけれど、声は小さく、姿勢が縮こまっていたら、どちらを信じたら良いでしょうか。
例えば、言葉では、「分かりました。」と言っているけれど、視線は定まらず、表情は不安げだったら、どうでしょう。
観察をしないで、言葉の意味だけを受け取っていたら、コミュニケーションミスは必至です。
私のセミナーでは、表情を観察するワークをしてもらうことがあります。モデルになってもらう方に、好きな人、苦手な人を思い浮かべてもらって、他の参加者に当てっこをしてもらうワークです。このワークの様子が、こちらの最初の動画の中に、チラッと収録されています。
ここでは、観察することの大切さをお伝えしていますが、観察が万能であるとは限りません。「心理的フィルタ」があるので、観察してものの解釈が、実際と合っているかどうかは分からないのです。ですので、最終的には、相手に確認するということも大切になってきます。
なので、コミュニケーションスキル(観察力)を磨くというのは、
- 観察する。
- 自分なりの解釈をする。
- 相手に確認する。
- 自分なりの解釈と相手に確認したことを比較する。
- 一般化できることなのか、その相手限定のことなのかを分類する。
- 比較、分類した結果を受けて、解釈の精度を上げる
を繰り返すということなのです。
1.6.1.4.同調するための観察
「1.5.心理的フィルタ」でフィルタを開けるために、同調が必要だということを学びました。同調するためにも観察力が必要だということが分かっていただけると思います。
例えば、「1.5.2.2.五感の情報処理の違い」で紹介した、視覚優位、聴覚優位、体感覚優位のそれぞれの特徴を忘れてしまったとしても、観察力を駆使すれば、同調することは可能です。
相手を観察して、話すスピードが早いことに気付いたら、それがどの感覚が優位なのかを示しているのかを忘れてしまったとしても、話すスピードを合わせる(ペーシングする)ことで、同調はできます。
相手の言葉を聞いて、使っている言葉からどの感覚が優位なのかが分からなくても、使っている言葉を真似する(バックトラッキングする)ことで、同調はできます。
そして、自分がしている同調が、相手の「心理的フィルタ」を開けるために、効果が上がっているのか、そうではないのか、ということを観察することも大切です。
もし、望む効果が得られていないということに気付いたのであれば、今やっていることを修正するか、今やっていることを止めて他のことをするか、を試してみるときなのです。
それは、望む効果が得られるまで、微調整を繰り返すということです。
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